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安倍政権の政策 アベノミクスその7

 韓国がアベノミクスに対して批判的なことは少し触れましたが、韓国の得意技は他人の発言を利用して(批判する)、というものがあります。しかも、他人の発言を自己に都合の良いように解釈してしまう、という癖があります。
 
○円安:ソロス氏が日本批判、韓国を評価
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/01/26/2013012600327.html

朝鮮日報は1週間もすると記事が読めなくなるので、全文を一応記載。

(掲載開始)

「日本の円安攻勢にドイツもユーロ切り下げで反撃すれば、世界の金融市場が混乱する可能性がある」

 世界的なヘッジファンド「ソロスファンド」を率いる投資家、ジョージ・ソロス氏(82)は24日、スイスの世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)の会場で朝鮮日報や米CNNテレビなど複数のメディアのインタビューに応じ、そう指摘した。

 ソロス氏は「ドイツと日本は自動車など複数の産業分野で競争しており、円安でドイツ経済が打撃を受けるならば、ドイツ政府は座視しないはずだ」と述べた。ドイツもユーロを切り下げし、世界の金融市場は衝撃を受けることになるとの見方だ。ソロス氏は「(日本とドイツの)通貨戦争は結局、世界各国の金利政策に影響を与え、国際金融市場を揺るがすことになる」と指摘した。

 ソロス氏は日本が起こそうとしている通貨戦争を誤った政策だと批判したが、米国が円安にストップをかけ、全面的な通貨戦争に拡大する事態は回避されるとの見方を示した。

 ソロス氏は「日本を思い通りに切り下げることはできないはずだ」と述べ、日本の円安政策は続かないと断言した。その上で、日本は米国に安全保障を依存しているため、米国が許容する範囲でしか円相場を下落させられないと指摘した。

 一方、ソロス氏は「世界各国が政府債務に苦しんでおり、最善の解決策は成長であって、他の方法はあり得ない」とし、経済成長が鈍化すれば債務償還は不可能になると強調した。ソロス氏は「経済の低迷期に緊縮政策を取れば、庶民が苦しむだけだ。ドイツが欧州連合(EU)各国に緊縮政策を強要するのは誤った政策だ」と批判した。

 ソロス氏は2008年のリーマン・ショックを発端とする世界的な金融危機は完全には収束していないと警告。「財政赤字を解決する能力がない国も含め、ユーロ圏の現状では欧州財政危機は解決できない」と述べた。

 ソロス氏は「通貨の発行は欧州中央銀行(ECB)が行うのに対し、国債の発行は個々の国が行う。この状況が続く限り、国債を増発して国家運営を図ろうとするモラルハザードが続くことになる。それを解決するにはユーロ圏を分割するしかない」と主張した。その上で、「ギリシャなどEUの外れにある国ではなく、むしろドイツがユーロ圏から脱退することが現在の危機解決の近道になる」と提言した。

 今後の世界経済に大きな影響を与える不確定要素としては、中国の政治体制の変動を挙げた。ソロス氏は「中国政府は比較的過小評価されている人民元で成長を追求し、結果的に国民に割高な価格で石油などの海外資源を購入させるようになった。中国国民がいつまでそんな政策に協力するかは分からない」とした上で、「中国の現在の政治・経済体制がどう変わるかによって、世界経済はまた大きな影響を受けることになる」と予想した。

 このほか、ソロス氏は「日本が円安を助長する中でも、韓国政府はウォンを比較的うまく運用している」と述べ、韓国政府の為替政策を評価した。自国の経済事情だけを考え、行き過ぎた円安基調を維持しようとする日本とは異なるとの認識だ。ソロス氏は「韓国政府はウォンの価値を適切に維持している」との認識を示した。

(掲載ここまで)

 まず、

 “「日本の円安攻勢にドイツもユーロ切り下げで反撃すれば、世界の金融市場が
  混乱する可能性がある」世界的なヘッジファンド「ソロスファンド」を率いる
  投資家、ジョージ・ソロス氏(82)は24日、スイスの世界経済フォーラム(WE
  F)年次総会(ダボス会議)の会場で朝鮮日報や米CNNテレビなど複数のメディ
  アのインタビューに応じ、そう指摘した。

10中8・9、ソロス氏はそんなことを言っていないでしょうね。共通通貨ユーロをドイツ一国が引き下げられることでも思っているのか?ソロス氏クラスの人が、そんなことを知らないはずはないってか、この記事中でも、

 “ソロス氏は「通貨の発行は欧州中央銀行(ECB)が行うのに対し、国債の発行は
  個々の国が行う。
この状況が続く限り、国債を増発して国家運営を図ろうとす
  るモラルハザードが続くことになる。”


と記載していることの矛盾をどう説明する。まぁ、韓国人の頭の中では、「戦争を反省しないから世界中から嫌われている日本は、心からの謝罪をして世界の信頼を勝ち得たドイツに反撃されておとなしくなるに違いない」という妄想があるんでしょうな。

 それから、

 “ソロス氏は日本が起こそうとしている通貨戦争を誤った政策だと批判したが、
  米国が円安にストップをかけ、全面的な通貨戦争に拡大する事態は回避される
  との見方を示した。”

これもねぇ…。ブルームバーグの記事にある、

○ソロス氏:ユーロ存続の公算-日銀の政策は「本物」円下落へ
 http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MH5FRH6KLVRO01.html

 “同氏は一方で、「通貨戦争」に各国が突入するリスクが存在し、これは欧州中
央銀行(ECB)の行動様式を変えることにつながる危険があると指摘。主要
  国はそのような対立を回避するための合意点を見いだす必要があると訴えた。”

 “日本の当局が円相場をどこまで押し下げることができるかは、米国がどの程度
  まで容認する意向であるかによって制限されるだろうと語った。”

という内容を韓国流に解釈したんでしょうね。中・韓を差別する傲慢な日本を正義の味方米国が…以下略

 なんてなことを書いていたら、珍しく韓国の新聞で韓国を批判する人の声が。

○「円安非難は偽善」米経済学者が韓国批判
 http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/01/28/2013012800368.html

 “今年に入り、ある国(日本)だけが通貨戦争を触発したと非難するのは誤りだ」
  とし、「過去20年間、名目国内総生産(GDP)が増えていない日本の差し迫った
  経済状況を考えれば、日本にしばらく休憩時間を与える必要がある」と指摘した。

  その上で、ファーガソン教授は韓国について、「実質実効為替レートで見ると、
  ウォンは2007年8月以降、19%も下落しており、世界でも最も攻撃的な通貨戦争
  の戦士だった」とし、韓国が日本の円安政策を非難するのは「偽善」だと批判し
  た。”

まぁ、ただ、そこは韓国スタンダード(これをOINK《Only IN Korea》とか、平壌(へいじょう)運転と言います)。

 “スター経済学者として知られるファーガソン教授の主張は、アベノミクスによ
  る円安政策に関する論争が過熱する中、国際世論が決して韓国に友好的とは限
  らないことを示している。”

自分の主張を批判されると「友好的とは限らない」ってあたりが何とも
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安倍政権の政策 アベノミクスその6

 まぁ、大前氏も相当に「アレ」なのはお分かりいただけたと思いますけれど、前回最後にご紹介した朝日新聞もねぇ…。

 “「逃げ足」の速い外国人のお金も流入。ひとたび財政不安になれば、国債
  が一斉に売られるリスクが徐々に高まっている”

じゃ、まぁこの記事の言うとおり、外国人が「逃げ」たとしましょう。これ、すなわち保有している円建の国債を売却すること。すると、その外国人は手元に円を保有することになる。じゃあ、この円をどうするのか?
そもそも国債以外に有望な投資先があったのなら国債なんざ買わなかったはずなので、おそらくはドルに両替。

はい、これでその外国人はめでたく「危険な」(円)国債から逃げられます…が、んじゃ、その相手先は?

まぁ十中八九日本の金融機関でしょうけれど、円を手にしたその時点で円の有望な投資先がなければ、再度(円)国債を購入するでしょうね。

 ギリシャ等のユーロ諸国やアジアではお隣韓国で問題なのは、国(ないしは企業)の借金が自国通貨建ではないこと。この場合、外国人が国債(や社債)を売却して得た通貨(ドルとかユーロとか円)は、当該国以外でもそのまま使用することが可能なため、物理的に当該国からお金が消えてなくなります。したがって、「逃げ足」の速い外国人に借金を依存してしまうと、国外の変動というコントロールが難しい要因を抱えるため、リスクが高いことになります。

 この差はでかいので繰り返しますと、日本の場合、円が日本国内でしか流通しないため、借金が円建である以上、円が国外に逃避してしまうことはない一方、ユーロ諸国や韓国等ほとんどの国の場合、借金が外貨(ないしは共通通貨)建であるため、物理的に投資資金が海外に逃避してしまい、国債(や社債)の金利が急上昇する危険を孕みます

 脱線はこのくらいにして、大前氏と同様の主張をしているのが藤巻氏

○安倍財政で日本は年内にも破綻、「ガラガラポン」早まる-藤巻氏
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130115-00000040-bloom_st-bus_all

この藤巻氏ってのは本も何冊か出している人ですが、「年内にも日本の財政が破綻する」なんてなことを言っています。根拠は?と言うと、


 “「景気が回復しても、金利が上昇すれば、税収増加よりも金利支払い増加の
  方が大きくなり、日本の財政はもたない」”


てなことらしいんですけれど、2012年3月末普通国債発行残高669兆円のうち、変動金利のものは52兆円しかありませんから、たいして利払いは増えません。どうしても気になるなら日銀が買い取れば利払い負担は無くなります。どう計算すると利払い負担の方が増えると主張しているのか私には理解できません。

 まぁこの方、「半年/2~3年以内/5年以内に国債未達をきっかけに、国債が暴落する(から資産は海外へ)」なんてなことをかれこれ10年は言い続けていますかね

○(2009年 04月 22日)為替こうみる:半年でドル130円に上昇、輸出関連株は買い
=フジマキ・ジャパンの藤巻社長
 http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPnTK027191020090422

実際はというと、2009年10月は90円くらいだったし。

 さらには、その結果日本はIMFのお世話になるとも。

○超インフレ・円暴落で日本は沈没する
 http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20121002/237544/?ST=pc

日本が大スポンサーであるIMFのお世話にねぇ…。政府債務はすべて自国通貨建&9割以上を国内消化、対外純資産22年連続世界一の日本が海外に迷惑を掛けるとでも?

 まぁ、この手の人たちは、要は日本国民に外貨建資産を購入して欲しいというだけの話ですな。
…前から思っていたんですけれど、こうゆう人達への講演料とか執筆料を「外貨でお支払いしますね」と言ったら、どうゆう反応を示すんでしょうね

安倍政権の政策 アベノミクスその5

 取り上げたいネタとしては、政府・日銀の共同声明やダボス会議などあるんですが、もうちょいアベノミクスに対する国内での批判についておつきあいください^^;

 前回の最後で記載しましたが、大前氏が何で「2030年を迎えられない」と主張しているかと言うと、

 “それまでに日本は国の借金が対GDP比で300%を超えて、「破断界(持ち
  こたえられる限界)」を迎え、国債がデフォルトしてハイパーインフレ
  になってしまうからだ”

…この親父、2011年の10月にこんなことを言っているんですけれどね。

○警告!世界経済を吹き飛ばす「四大地雷原」
 http://president.jp/articles/-/2598
 http://president.jp/articles/-/2598?page=2
 http://president.jp/articles/-/2598?page=3
 http://president.jp/articles/-/2598?page=4

 “そして4つ目の地雷原である、わが日本の債務問題。民主党政権のバラ
  マキ政策によって国の借金が1000兆円を超えようというところで震災と
  原発事故に見舞われた。財源の手当てのない「10年間で総額23兆円」の
  復興事業費が決定し、国家債務の対GDP比が前人未到の200%を超えるの
  は確実
だ。債務問題に対する国民の危機意識が薄い日本は、いわば裸の
  王様。いつ世界から「王様は裸だ」と言われてもおかしくない。
  その瞬間、日本国債は暴落する。それに続くハイパーインフレなどに対
  しても現実的な備えを開始しなくてはならない
。”

 “ハイパーインフレにどう備えるべきか、3つだけアドバイスしておこう。

  1つ目は、「銀行預金は避ける」こと。預金が紙屑になるのがハイパー
  インフレだ。預金している間に価値が100分の1、1000分の1になってし
  まう。タンス預金も同じこと。一番いいのは外貨を分散してタンス預金
  しておくことだ。


「国家債務の対GDP比が前人未到の200%を超えるのは確実」って、おぃ、おぃ…。日本の国家債務は約5700兆円だから、GDPを約500兆円とすると、対GDP比なら1400%。
それに債務から資産を引いた日本の国家純債務は約-250兆円、つまり250兆円の国家純資産(=対外債権のこと)を有しており、日本の場合22年ほどこの金額が世界一。

 などと言葉尻を捉えても仕方がないので、渋々フォローすると政府債務のつもりで「国家債務」と言っているんでしょうね。もっとも、政府債務対GDP比にしても、200%が前人未到だぁ? ナポレオン戦争直後のイギリスは288%。それでもイギリスはその後世界の覇権国家になっているのを何と心得る。

 だいたいね、

 「200%になったらマズいぞ!」 → 実際に200%超えてもデフォルトならず
 → しかも世界で一番金利が低いまま → 何ら説明することなく、今度は「300
 %はマズい!」

一体何パーセントまで引き上げれば気が済むんだ?

 気を取り直して続けると、日本の国債は100%円建。いくらでも円を印刷することができるから、日本国債がデフォルトは絶対に不可能なことは、財務省もそう言っています

○外国格付け会社宛意見書要旨
 http://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htm

 “日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。
デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか。”

 だからと言って、「心配ないならジャンジャン印刷しちゃえば良いじゃん」ってことにはならず、円を印刷しまくるってことはインフレになるリスクがあります。

ものすごく単純化して話をすると、例えば、明日、日本国民に一人ひとりに1週間だけ使えるお金を500万円ずつばら撒いたとしましょう。約1億人だとして500兆円。ほぼ日本の年間GDPに匹敵します。さすがに、需要に供給が追いつかず、モノの値段は跳ね上がるでしょう。このように、市中にお金をばらまくってのは需要を高め、インフレ傾向を強めることを意味します。

 …しかしそれにしてもハイパーインフレ(定義は年間13000%)ねぇ…。戦後の供給能力が大部分失われた時期ですら、せいぜい300%程度のインフレにしかならなかったのに、現在世界最強の供給能力を誇るがゆえにデフレとなっている日本がハイパーインフレになるってのは相当に難しいぞ。大体、日本の需給ギャップはGDPの10%程度あると言われているので、それこそ50兆円程度ばらまいたところで、インフレは理論上引き起こされないんですけれどね(乗数効果を無視すればですけれど)。

 んで、

 “国債がデフォルトしたら、国債を大量に保有する銀行が潰れ、個人金融資
  産が吹き飛んでしまう”

から、どうすべきと主張しているかと言うと、「警告!世界経済を吹き飛ばす「四大地雷原」」では「一番いいのは外貨を分散してタンス預金しておくこと」…。ふ~ん。同じ記事中で、米中欧すべて危ないと言っておきながら「外貨預金」ねぇ…どこの国の外貨だよ

 それに、外国人はせっせと日本国債を買っているぞ

○国債、高まるリスク 外国人の保有割合が急伸
 http://www.asahi.com/business/update/1222/TKY201212211092.html

 “日本銀行と外国人投資家が持つ日本国債の量が、今年9月末でそれぞれ
  過去最高になった。日銀の保有残高は初めて100兆円を突破。国の借金
  を日銀が支える構図が強まる一方、「逃げ足」の速い外国人のお金も流入。
  ひとたび財政不安になれば、国債が一斉に売られるリスクが徐々に高まっ
  ている。 ”

すんません…もうちょい続けます。

安倍政権の政策 アベノミクスその4

 今度は「アベノミクス」について国内における代表的な批判をご紹介。

 朝日新聞は「安倍氏叩きを社是」としているようですから、当然のことながら安倍政権の経済政策も批判しています。突っ込みどころ満載なんですが、とりあえず2点ほど。

○補正予算―またも公共事業頼みか
 http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1

 “景気のてこ入れには公共事業が手っ取り早い。そんな旧態依然とした発
 想だと言わざるをえない。

 わが国の財政悪化の一因は、公共事業を景気対策に使ってきたことだ。当
 初予算では財政再建を掲げて事業費を抑制しながら、短期間でバタバタと
 編成する補正予算で増やす手法がまかり通ってきた。残されたのは、必要
 性に疑問符がつく社会インフラと借金の山である。

 同じ過ちを繰り返さぬよう、自公両党に再考を求める。…ましてや来夏の参
 院選を意識したバラマキなら論外だ。”

「わが国の財政悪化の一因は、公共事業を景気対策に使ってきたことだ」…これが真っ赤なウソなのは以前もご紹介したとおり。→ 「本日の第3弾 理念よりも理屈を」 

 それにバラマキねぇ…

○朝鮮学校無償化、遠のく? 審査中のまま自民政権へ
 http://www.asahi.com/national/intro/TKY201212180427.html

 “民主党の目玉政策だった「高校無償化」が朝鮮学校の生徒には一度も
  適用されないまま、解散・総選挙を迎え、政権が自民党に移る。その
  間、北朝鮮の「ミサイル発射」もあり、無償化の適用は遠のいたよう
  に見える。「全ての若者に教育を」「外交と教育は別」という方針は
  結局、「幻」だったのか――。”

朝日新聞さん。こうゆう「日本国民以外へのバラマキ」はスルーかい

 さてもう一つよくある批判が、「金利が上昇して日本の財政破綻する」から「資産を海外へ」と論じるタイプ。

○安倍氏が日本経済の現状理解してないのが最大の問題と大前氏
 http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/617091/

 “最大の問題は、政権に返り咲いた自民党の安倍晋三総裁(およびその
  アドバイザーたち)が、日本経済の現状を理解していないことである。
  安倍総裁は大胆な金融緩和やインフレターゲットなどによってデフレ脱
  却を目指す財政金融政策「アベノミクス」を掲げているが、それは金利の
  上げ下げとマネーサプライの増減が経済活動に影響を与えるとする20
  世紀のマクロ経済学が、まだ通用すると思っているということだ。”

大前研一という点で既に「アレ」なんですが、一応、突っ込んでみましょうか。

 “すでに日本は1999年からゼロ金利政策が(短期間解除されたことはあ
  ったが)続いており、市場にはお金があふれている。だが、誰も借りない
  し、誰も使わない”

そうゆう状態を「流動性の罠」とか「バランスシート不況」とか言いますけれど、安倍総裁はそうゆうことを理解しているから、国土強靭化という公共事業を推進しようとしています。
つまり、企業・個人が投資・消費をしようとしない=需要がない ので、経済を上向かせるためには代わりに政府が需要を喚起する必要がある、ということです。

 何度でも指摘しておきますが、安倍総裁は「財政出動+金融政策をセットで」と主張されているのであり、大前氏が批判しているように「金融政策のみで」今のデフレ状態を脱却しようとしているわけではありません

 この点を大前氏はスルーした上、

 “国債がデフォルトしたら、国債を大量に保有する銀行が潰れ、個人金融
  資産が吹き飛んでしまう。ハイパーインフレになったらタンス預金も一
  気に紙屑になる。そうなる前に貯蓄を消費に向かわせて経済を上向かせ
  ることを考えるべきである。”

「貯蓄を消費に向かわせることを考えるべき」って、そんなこたぁあ皆100も承知。出せるもんならそのための具体策の一つでも掲げてみろって~の。

 しまいにゃ、

 “大胆な金融緩和をしようがしまいが、消費税を10%にしようがしまいが、
  TPP協定に参加しようがしまいが、このままでは日本は2030年を迎えられ
  ないと私は見ている”

2030年を迎えられないって…新手の「ノストラダムスの大予言」や「マヤの暦」か?

安倍政権の政策 アベノミクスその3

 前回「『金融緩和』+『財政出動』パッケージ『アベノミクス』については、現在、日本が取りうる最善に近い政策だと思います」と記載しましたが、世界的にもやはり効果的な政策だと思われているようです。

○アベノミクス:海外から批判…通貨安競争を助長
 http://mainichi.jp/select/news/20130119k0000m020079000c.html

 “大規模な金融緩和と財政政策を組み合わせる安倍晋三首相の政策「アベノ
  ミクス」が急速な円安を誘導しているとして、海外から不満の声が出始め
  た。日本側は「行き過ぎた円高の修正局面」との立場だが、自国通貨を弱
  め輸出産業を支援する「通貨安競争」との受け止めが広がれば、国際的批
  判が強まる恐れもある。”

  ドイツのショイブレ財務相は17日の議会演説で、安倍政権下での金融緩
  和が国際金融市場に過剰な通貨供給をもたらすとして、「非常に懸念して
  いる」と言及。同国では、安倍首相が日銀に公然と緩和圧力をかけている
  ことへの批判的論調が目立っている。

  さらにゼネラル・モーターズ(GM)など米自動車大手3社(ビッグスリ
  ー)で構成するロビー団体の米自動車政策会議のブラント会長は17日、
  安倍政権の通貨政策について「貿易相手国を犠牲にして自国の成長を図る
  『近隣窮乏化政策』で受け入れられない」と非難する声明を発表。対抗措
  置をオバマ米政権に要請した。

  ウリュカエフ・ロシア中央銀行第1副総裁も16日のロイター通信の取材
  に、「世界各国が日本に追随し、分断の道に向かいつつある」と述べ、日
  本を批判。2月に予定される主要20カ国・地域(G20)財務相・中銀
  総裁会議で、日本への圧力が高まる可能性もありそうだ。”

上記は毎日新聞の記事ですが、一つはっきりさせて起きますと、安倍政権は「こんなことをやります」とは言っていますが、実際にはまだ何もやってません。にも関わらず「そんなことを本当にされちゃったら、俺たち、お手上げ~」と言うことで各国が文句を言っているわけです。逆に言うと、それくらい「アベノミクス」は効果的な政策と世界各国が思っている、ということですな。

 それと、毎日新聞は「『アベノミクス』は通貨安政策」だと考えているように読めます。実際には、デフレ脱却を目指し、そのための「金融緩和+財政出動」なんですけれどね。結果として、通貨安にもなるというだけ。

 あまりにも慌てふためいてしまったのか、韓国もこのあたりを勘違いしています。

○(韓国:中央日報)【社説】人為的な円安の副作用を警戒する
http://japanese.joins.com/article/024/167024.html?servcode=100§code=110&cloc=jp|
main|inside_left

 “日本円が4カ月間で15%以上も値下がりし、1ドル=90円台となった。
  安倍晋三日本首相の「輪転機をぐるぐる回してお札を刷る」という無制限量
  的緩和に刺激された
のだ。

 “しかし人為的な円安がいつまで続くかは疑問だ。為替レートは基本的に市場
  で決定される
。振り返ると、08年以降の奇形的な円高は突出変数のためだ
  った。リーマンショック後に基軸通貨のドルが値下がりし、さらに欧州財政
  危機でユーロ安が進み、相対的に安定している日本円が急騰したのだ。最近、
  米国経済が回復の兆しを見せ、ユーロ圏の危機もピークを乗り越えたため、
  円安に転じたのは自然な現象とみられる
。問題は安倍内閣が人為的な円安を
  誘導し、世界経済に波乱を起こしている点だ。”

 “国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は日本の近隣窮乏化(begg
  ar-thy-neighbor)政策を非難し始めた。景気回復と輸出の
  ために為替レートを歪曲させれば、相手国も同じ戦略に出て、結局、双方に
  損失となるということだ。”

だからね、無制限に量的緩和するわけじゃないし、そもそも輪転機も回していないから
自分でも、「最近、米国経済が回復の兆しを見せ、ユーロ圏の危機もピークを乗り越えたため、円安に転じたのは自然な現象とみられる。」と言っておろうが。にも関わらず「人為的な円安」って…。支離滅裂。

 そもそも、為替介入を常態化して「人為的なウォン安」を維持してきた国にあれやこれや言われたくは無いわ

○米国「韓国当局に外国為替市場介入を自制するよう圧迫」
 http://japanese.joins.com/article/002/164002.html

 “米財務省はまた、報告書で韓国の外国為替当局に対しても市場介入を自制す
  ることを繰り返し促した。報告書は、「韓国は公式的には市場相場制を採択
  しているがウォンの変動性を減らすため市場にしばしば介入している。韓国
  当局を相手に外国為替市場介入を自制し、透明性を拡大するよう持続的に圧
  迫していく」と明らかに
した。”

 それから、「文句を言っている」例としてIMFのラガルド専務理事の発言を載せていますが、実際にラガルド専務理事の発言はこんなもの。

○競争的通貨切り下げ支持しない…IMF専務理事
 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130118-OYT1T00340.htm?from=ylist

 “国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は17日の記者会見で、主要2
  0か国・地域(G20)の一部から日本政府が意図的に円安を誘導している
  との批判が出ていることに関連し、一般論と前置きした上で、「競争的な通
  貨切り下げ政策や通貨戦争は支持しない」と述べた


  日本への直接的な言及は避けた。

  安倍政権の緊急経済対策に関しては、「明確に短期の経済成長を創出しよう
  というものだと思う」と評価
した。ただ、中長期の財政再建策が伴っていな
  いことへの懸念を示し、財政再建への道筋を明確化するよう求めた。

  また、安倍首相が日本銀行に2%の物価目標を要請していることに対し、
  「中央銀行としての独立性が明確に確保された上でならば、興味深く、良い
  計画だと思う」と感想を
述べた。”

別に「アベノミクス」が通貨安を誘導している政策だと批判しているわけではなく、一般論として「競争的に通貨切り下げを行うこと」を批判しているだけです。ってか、「アベノミクス」については「良い計画」ということで評価しています。

 それと、毎日新聞が取り上げているドイツのショイブレ財務相の発言はこちら。

○日米英の政策を懸念=ショイブレ独財務相
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323284004578248161661786522.html

 “ドイツのショイブレ財務相は17日の議会で、米国や英国はもちろん、新政権が
  誕生した日本を含む先進国の多くがとっている財政・金融政策を懸念している
  と表明した。

  ショイブレ財務相は「ユーロ圏だけでなく、世界のあらゆる国がソブリン債務
  を抱えている。(その水準は)ユーロ圏域内よりも、域外の方が高い
」と指摘
  した。

  その上で、「英国はユーロ圏平均よりも高い政府債務を抱えている。米国につ
  いては触れたくもない
」と語った。

  「日本の新政府がとる政策を、個人的にはかなり懸念している」とも付け加え
  た。”

要するに、金融緩和による通貨安競争に対する批判ではなく、政府債務対GDP比や財政収支の観点から、金融緩和のために国債を中央銀行が引き受ける点を主な批判としている、ということです。この緊縮財政中心の政策については、昨日記載したグルークマン教授やスティングリッツ教授が批判されていますね。

 最後のショイブレ財務省の発言はともかく、おおよそ共通しているのは「金融緩和を行うと市中にマネーが流れ、結果通貨安となって輸出する際に有利になるからズルい!!」ということですかね。

 …まったく、良く言うよ。ホント。2008年のリーマンショック以後、2008年9月を100とした場合のマネタリーベース(市中に出回っているお金の量と考えてください)を日・米・欧・韓・中で比較したグラフがこちら。

マネタリーベース推移

 出典:三菱UFJモルガンスタンレー証券 嶋中雄二の月例景気報告
    http://www.sc.mufg.jp/report/business_cycle/snm_report/pdf/snm20120921.pdf
    より作成

各国ともさんざん金融緩和をした挙句、日本には「やるな!」と。そんだけ文句言うなら、お前等に貸した/出資した金、耳を揃えて返してから言え!! お前等の主張は「ウチの景気が良くなるために、日本は不景気のままでいろ」と言っているに等しいぞ(-""-)

…失礼しました。

まぁ、度々申し上げているように、それだけ日本の経済環境は強いと(世界中が思っている)いうことですし(私は世界最強だと思っています)、それにまぁ、それぞれの国にとって一番大事なのは自国民ですからね。そうゆう連中を我々日本国民は相手にしているということを知っておく必要があります。日本では「意を汲んで」とか「武士の情け」ってのがありますけれど、そんなもの世界ではありませんから。自虐的な態度は美徳でも何でもありません。

安倍政権の政策 アベノミクスその2

 さて「アベノミクス」について、安倍首相のブレーンの1人、藤井京大大学院教授の藤井教授のH.P.にノーベル経済学賞受賞者、ポール・クルーグマン教授がニューヨークタイムズに寄せたコラム記事の翻訳がありましたので、ご紹介。

○動き出した日本Japan Steps Out
 http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/index.php/b4/job/264

 “財政支出を増やせば、――きわめて慎重な連中がいうにはだが――債券市場で
  我々は罰を受けることになるだろう、カネを刷れば、インフレが酷いこと
  になるだろう、だから、何もやるべきではない。なぜなら、さらなる緊縮
  財政――いつの日か、どういうわけか報われるはずだとされる――の他にでき
  ることはないからだ――彼らはそう言い続けてきたのだ。

  しかし今、一つの大国が、この(愚かしい)先進国の隊列を崩そうとして
  いる。

  その国は他でもない、日本である


 “日本は、その巨大な政府債務と高齢化のせいで、有効な秘策の余地は他の
  先進国に比べても少ないだろうと考えられている。

  しかし安倍氏は、日本の経済的停滞を終焉させるのだと誓って、政権の座
  に戻ってきた。彼は、正統派経済学者たちが「やるな」と言ってきたアク
  ションをすでに起こしている。そして、初期の兆候としては、非常に上手
  くいっている
。”

 “はっきり言って我々アメリカの政策はきわめて不十分であった.だから、
  私は「ベン・バーナンキや私自身を含めて、日本の政策を厳しく批判して
  きたアメリカのエコノミストは、東京を訪れて天皇陛下に詫びるべきだ」
  と提案したものである。とにかく、アメリカの政策は日本よりもひどいも
  のだったのである。”

 “つまり問題の本質は、厳密に経済的な問題というよりも、政治の問題であ
  り、知性の問題だということだ。実際のところ、積極財政のリスクは、正
  統派経済学者たちが国民に信じ込まようとしていたよりもずいぶんと小さ
  い
ものなのである。”

きゃ~!! クルーグマン教授、素敵!!!

…もとい。「緊縮財政」&「規制緩和」を標榜する新古典派経済学(サプライサイド経済学)は、日・米にとっての処方箋にはならない、と主張されています。また、同じくノーベル経済学賞受賞者であるジョセフ・ユ-ジン・スティグリッツ教授なんかも「緊縮財政大好き!」IMFを強烈に批判していましたけれど、ここに来て、IMFの中にも「俺たち、もしかして間違ってるかも…」という人も出てきています。

○IMFブランシャール氏:財政再建の成長への影響は想定以上
 http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MG2OYC6K50XU01.html

 “国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミスト、オリビエ・ブランシ
  ャール氏は、緊縮財政が欧州経済の成長を想定以上に抑制していると
  の調査結果を示した
。IMFがここ数カ月、ギリシャやポルトガルと
  いった国々に対し以前より緩やかな財政政策を提示していることに沿
  うものだ。

  ブランシャール氏と同僚のダニエル・リー氏が3日に公表した調査報
  告は、財政再建が成長に与える影響を示すいわゆる財政の乗数効果は
  債務危機の際にアナリストらが想定したよりもかなり大きい
とした。 ”

ということで、「金融緩和」+「財政出動」パッケージの「アベノミクス」については、現在、日本が取りうる最善に近い政策だと思います。

安倍政権の政策 アベノミクスその1

 続いては安倍政権の経済政策、通称「アベノミクス」について。

 ご承知のとおり、ここまで市場は安倍政権発足を好感しているようです。

○東京株、大発会で寄り付き後に1万700円回復 上げ幅一時300円超
 http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130104/fnc13010409150002-n1.htm

普通に考えればそうなるでしょうね。別に安倍政権がウルトラCをやろうって話ではなく、普通の国家がやっていることを日本もやろうってだけですから。

○麻生財務相:通貨安にしているわけではない
 http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MFS7TA6K50XS01.html

 “麻生太郎財務相は28日、同省内で行われたインタビューで、安倍晋三首相
  の金融・為替政策に関する積極的な発言で円安が進み、これが世界的な通
  貨安競争につながるとの見方に否定的な見解を示した。主要3通貨のうち
  円高は突出していると指摘。同時に米国に対してドル高政策を取るよう注
  文をつけた。

  麻生財務相は自らが首相として出席した2009年4月の20カ国・地域(G20)
  首脳会談で、「通貨安競争はやらないという約束をしたが、その時の約束を
  守った国は何カ国あるのか。米国はもっとドル高にすべきだ。ユーロはいく
  らになったのか」と言及。1ドル=100円前後で推移していた当時に比べて
  も円高水準にあると指摘した。

  その上で、約束を守ったのは日本だけだとし、「外国に言われる筋合いはな
  い。通貨安に急激にしているわけでも何でもない」と強調。”

この「アベノミクス」の狙いは「デフレ脱却」。つまり、供給>>>需要状態で物価が下がり、結果、相対的に通貨の価値が上昇し続けている状態を供給<需要状態に持って行こうとしていること。
そのために、企業が投資・個人が消費がしやすいように市中にお金を回し(金融緩和)、でも、今のようなバブル崩壊後のバランスシート不況下では、それだけでは企業は投資・個人は消費をしてくれないので、代わりに政府が投資・消費(財政出動)しようとしている、ということです。

 別に「輸出をしやすくする」ということが主眼ではないのですが、物価との相対での通貨の価値は、外国通貨と比較した相対価値と連動していますから(仮に円ドルレートが変わらなかったとしても、同じドルで交換できる円の額は変わらなかったとしても、今までよりも買える日本製品の量が減りますから)ということで円安になり、結果として輸出がしやすくなる、外国からしてみると自国製品の輸出がしにくくなる、ということです。

 繰り返しますが、安倍政権は意図的な円安誘導を主眼としているわけではなく、あくまでも国内政策を遂行しているだけです。

安倍政権の政策 外交編その3

 前回、「日本の外交戦略としては「孤立しないこと=複数の大国と事を構えないこと」が大前提であり、逆に「他国と協働で中国にあたる」ことを基本とするべきだと思います。」と記載しましたが、では、この観点で安倍政権の外交を見てみます。

 日本ではほとんど報道されていないと思いますが、プラハに本拠を置く国際NPO団体「プロジェクトシンジケート」のウェブサイトに、12月27日付けで安倍晋三首相の英語論文が掲載されていました。

○Asia’s Democratic Security Diamond
http://www.project-syndicate.org/commentary/a-strategic-alliance-for-japan-and-india-by-shinzo-abe

全文訳はこちらのサイトに載っています。

○剣kenn諤々
 http://kennkenngakugaku.blogspot.jp/2013/01/blog-post_10.html?spref=tw

この論文をどのように評価されるのかは、各自のご判断・価値観にお任せいたしますが、個人的な見解を。

 まず、中国の「日本は軍国主義化している!」と言う主張に対して、

 ・日本は成熟した海洋民主国家であり、
 ・海洋民主国家たる日本の世界における役割は、

と、日本が民主国家であることを何度も強調し、そして最後に


 “日本外交は民主主義、法の支配、人権尊重に根ざしていなければならない
  からである。これらの普遍的な価値は戦後の日本外交を導いてきた。
  2013年も、その後も、アジア太平洋地域における将来の繁栄もまた、それ
  らの価値の上にあるべきだと私は確信している。”


と、中国のこれまでの主張(日本は軍国主義化している)を真っ向から否定する一方、中国に対しては、その脅威を指摘しています。

 ・ますます、南シナ海は「北京の湖」となっていくかのように見える

 ・南シナ海は、核弾頭搭載ミサイルを発射可能な中国海軍の原潜が基地
  とするに十分な深さがあり、間もなく中国海軍の新型空母がよく見か
  けられるようになるだろう
。中国の隣国を恐れさせるに十分である。

 ・これこそ中国政府が東シナ海の尖閣諸島周辺で毎日繰り返す演習に、
  日本が屈してはならない理由である。

 ・もし日本が屈すれば、南シナ海はさらに要塞化されるであろう日本
  や韓国のような貿易国家にとって必要不可欠な航行の自由は深刻な妨
  害を受ける
であろう。

 ・両シナ海は国際海域であるにもかかわらず日米両国の海軍力がこの地
  域に入ることは難しくなる。

 ・製造業に必要不可欠なレアアースの供給を中国が外交的な武器として
  使うことを選んで以後、インド政府は日本との間にレアアース供給の
  合意を結ぶ上で精通した手腕を示した


どうです、これ。ところどころにいろいろな国の、しかも関心を引きそうな事例をちりばめ「尖閣問題は日本にとって中国が脅威である、というだけではなく、(中国は)皆さんにとっても脅威なんですよ~」と主張されています。

 特に「南シナ海は『北京の湖』となっていくかのように見える」という表現はとにかく素晴らしい! 端的に中国の脅威を表しています。

 実際、参照させていただいたサイトにも記載がありますが、外交安全保障専門誌のThe Diplomat が文中のこの表現に反応した論説を公表しています。

○The South China Sea: “Lake Beijing”
 http://thediplomat.com/the-naval-diplomat/2013/01/07/the-south-china-sea-lake-beijing/

 これほどの格調の高い論文を海外に発信できる首相を日本人として誇りに思いますし、一方で、日本のマスコミはこのことを一切報道していない、ということに非常に危機感を持っています。

 おそらく、今回の東南アジア三カ国訪問において予定されていた安倍首相の外交方針に関する演説は、上述の内容であっただろうと思われます。今後、いずれかの機会で公表されることと思いますが、果たしてその際、どのくらい正確にマスコミが報道するのか…。

安倍政権の政策 外交編その2

 昨日、「中国の「今尖閣で事を構えたくない」という本音は変わらないとは思いますが、対日強硬派の台頭を許してしまっているため、偶発的な衝突の可能性は以前より高くなったと思います。」と書きましたが、この点についてはいかんともしがたい面があります。せいぜい、そのような偶発的な衝突が起きた場合を想定し、どのような対応を図るのかを検討しておくくらいでしょう。

 ただ、より積極的に対応しなければならないのは、中国が仕掛けてきている情報戦に対してです。具体的に言えば、中国は日本の孤立化を目指し、日本への誹謗・中傷を繰り返しています

○「尖閣購入という茶番」習近平副主席が日本批判
 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20120920-OYT1T00966.htm →既にリンク切れ

 “習近平(シージンピン)国家副主席は19日、パネッタ米国防長官との会談で
  「日本軍国主義は米国を含むアジア太平洋の国々に巨大な傷を残した」と歴
  史問題を持ち出した”

 “次期首相候補の李克強(リークォーチャン)筆頭副首相は11日、パプアニュ
  ーギニア首相と会談した中で「(両国とも)日本ファシズムの侵入を受けた」
  と指摘し、日本の国有化が「世界の反ファシズム戦争勝利の成果を公然と否
  定するものだ」と述べた。”

○反日統一共同戦線を呼びかける中国
 http://japanese.ruvr.ru/2012_11_15/94728921/

 “中国の著名な専門家は、中国と同様、日本と領土問題を抱えるロシアと韓国
  に対し、反日統一共同戦線を組むことを呼びかけた。この共同戦線は日本の
  指導部に対し、第2次世界大戦の結果を認め、近隣諸国への領土要求を退け
  させることを目的としている。”

つまり、まともに国際法や歴史上の認識から言えば、中国が不利なのは中国自身もわかっており(だからこそ、国際司法裁判所で解決を!とは一言も言いません)、また、仮に軍事衝突の場合、日米安保があるため、これまた勝ち目が無いのはわかっているので、尖閣問題を歴史問題にすりかえようとしています

 現在の国連安保理では、米・英・中・露・仏が五大国ですが、中国が主張する「日本は南京大虐殺をした悪い国」とか、韓国が主張する「日本は韓国を植民地にした悪い国」なんてなことは、これら五カ国の方が日本をはるかに上回る規模でやってきていること。

 逆に言うと、「日本は悪い国」としておいた方が、これらの国にとって実は都合が良い。今さら「米国はインディアンを迫害し、無知に付け込んで領土を奪った悪い国」とか「米国は非武装の広島・長崎・東京の民間人を殺戮した悪い国」とか、「英国はかつて日が沈むことがないくらい植民地をかかえていた悪い国」と騒がれても困るわけですから。

 よって、日本が「そもそも大虐殺が悪いなら、中国共産党は自国民をどれくらい虐殺しているのか?」なんて観点で反論するのは(国際世論上)得策ではないのですが、さらに中国としては「日本は軍国主義が復活し、他国の領土を侵略しようとしているから、第二次世界対戦直後を思い出して、皆で手を組んで日本を封じ込めよう」と主張、つまり、日本の孤立化を狙っているわけです。

 なので日本の外交戦略としては「孤立しないこと=複数の大国と事を構えないこと」が大前提であり、逆に「他国と協働で中国にあたる」ことを基本とするべきだと思います。(その3に続く)

安倍政権の政策 外交編その1

 お久しぶりでございます(^^;)

 12月初旬、突然ネットに接続できなくなり、調べたところ回線上は問題が特に無く、PC上の問題であることが判明し新しいPCを購入。しかしながらWindows8ゆえ操作に四苦八苦していたところ、クリスマスの三連休前に風邪でダウン。

 年末年始ゆえ、飲み会が多い中、体調を騙し騙し行事をこなし、ようやく体調が戻ってまいりました。

 その間、訪問し続けていただいた皆様、心より感謝いたします。また、皆様のブログに訪問することができず、大変に失礼いたしましたm(_ _)m。今後、少しずつ訪問を再開させていただきます。

 さて、久々の再開、何をネタにしようか悩んでおりましたが、当方がブログを休んでいる間に、安倍政権が誕生、しかも財務相に麻生氏と、震災復興&景気の回復&国防が重要課題である日本にとっては望ましい(と個人的に思っています)状況となりました。もちろん、震災復興にせよ景気の回復にせよ、1ヶ月や2ヶ月で果たせるものではありませんが、日本は良い方向に向かっていくことになるでしょう。

 ただ、政権発足前~今日までを見ていると、自民党安倍政権を快く思っていない勢力が何かにつけ、安倍政権に対するネガティヴキャンペーン(しかも、そのネガティヴキャンペーンは、それが意図的なものか単なる誤解かはともかく、間違いも多く含みます)が散見される点に危機感を募らせています
 勢力ってのは、政治家・政党はもちろん、官僚、マスコミ、組織、国なんかですが、具体的に言えば、消費増税を実現したい財務省やTPPを実現したい経産省、マスコミは例を出すまでも無く朝日新聞なんかは露骨に反安倍ですし、国としては中国・韓国、場合によっては米国も。

 実は、当方のブログが政治・経済ネタを扱うようになったのは、もともと個人的には民主党に対して批判的であったこともそうですが、東日本大震災への対応や中・韓寄りの売国的政策に対して「このままじゃいかん」との思いがあったからであり、その意味では自民党安倍政権の誕生により、政治・経済ネタを取り扱う理由は無くなったかなぁとも考えていました。

 しかしながら、安倍政権に対する批判的な動きは根深いようにも思えますので、一旦、安倍政権の政策を取り上げ、あくまでも個人的なものではありますが、その評価をさせていただき、皆さんがそれぞれ判断されるきっかけとなれれば嬉しく思います


 ということで、再開の一つ目はとある事情により安倍政策のうち、外交について取り上げます。

 その事情というのは、アルジェリアの人質事件。まずは亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、この手の事件の再発防止に向けてできるだけの対策が講じられることを希望します。

 では本題。この事件で最初に気になった報道がこちら。

○人質事件、首相に試練=乱れる情報、対応苦慮〔深層探訪〕
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130119-00000035-jij-pol

 “人質の安否情報が錯綜(さくそう)する中、政府は人命第一の方針を据え、
  米英などと連携してアルジェリア政府に慎重な対応を求めた。しかし、アル
  ジェリア軍が救出作戦を強行。危機管理を重要課題の一つに掲げる安倍政権
  だけに、邦人に犠牲者が出れば打撃となるのは必至だ。”

おぃ、おぃ… 情報戦や危機管理能力についてはレベルの高い米・英と連携したところで、発生した事件だぞ? 何ゆえに「安倍政権の打撃になるのは必至」と? 「複数の閣僚と連絡が付かなかったので対応が遅れた」というわけではないし、外国の首脳とのスケジュールもむやみやたらとキャンセルできるものでもなかろう。しかも、例えば現時点で多くの国民が支持しないであろう「中国訪問」を世論の反対を押し切って行った訳でもないし(行った挙句、国賊発言をした元首相もいますけれど)。

 まぁ、このあたりに反安倍が滲み出ているように思えますけれど、さらに気になったのが以下の文。

 “首相は同日夜、安倍外交の基本方針に関する演説を予定していた。海洋進出
  を活発化させる中国をけん制する狙いもあって、法の支配による海洋安定な
  ど外交戦略5原則を「世界に向けて発信したい」と意気込んでいたが、事件の
  急展開でキャンセルせざるを得なくなった。”

これが気になった理由を説明する前に、日本の外交問題についておさらい。

 度々触れてきましたとおり、今現在、日本の外交上の最優先課題は対中国。ってのは、日本が抱える領土問題は、

 対中国  … 日本が実行している尖閣諸島で対峙
 対韓国  … 韓国が不法占拠&実効支配している竹島で対峙
 対ロシア … ロシアが不法占拠&実効支配している北方領土問題で対峙

の3つ。

 このうち、竹島&北方領土は日本が実効支配していませんから、日本からつっかからなければ衝突が起こることはないでしょう。逆に言えば特に日本が何をしなくても、失うものはありません。問題は中国。こちらは尖閣のみならず、沖縄をも虎視眈々と狙っています

 以前、「中国は中東問題があるので、本音では日本と事を構えたいとは思っていない」と書きましたが、習近平体制になってから、派閥争いに絡んで対日強硬派の軍部が台頭してきております。

○「戦争の準備をせよ」対日想定…中国軍指導部が全軍に指示
 http://sankei.jp.msn.com/world/news/130114/chn13011419050004-n1.htm

 “共産党筋によれば、習近平総書記は昨年11月の党大会で、軍人事の主導権を
  胡錦濤国家主席が率いる派閥に奪われた。習氏は現在、軍内の保守派と連携し
  て、日本との軍事的緊張を高めることで、自身の求心力を高め、主導権を取り
  返そうとしているとみられる。”

もちろん、これに対しては米国がF22戦闘機および空中警戒管制機を投入、また、ルース駐日米大使が「尖閣諸島は日米安全保障条約の適用対象だ」と重ねて発言し、中国を牽制しています。

○F22 嘉手納に9機飛来
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130115-00000004-okinawat-oki

○米軍が空中警戒管制機投入 中国機警戒で日米連携
 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130118/plc13011808370012-n1.htm

したがって、中国の「今尖閣で事を構えたくない」という本音は変わらないとは思いますが、対日強硬派の台頭を許してしまっているため、偶発的な衝突の可能性は以前より高くなったと思います。 (その2に続きます)
プロフィール

tatsusae

Author:tatsusae
会社に長時間いると飽きてしまうという、組織人としては致命的欠点を持つ、仮面サラリーマンです

保有資格
AFP、宅建、初級シスアド、簿記3級、証券外務員2種等々

特技
統計(日本計算機統計学会員なもので)
英会話(最近使ってないから怪しいけど…。一応米国のMBAホルダーだったりします)
初級の中国語会話(なぜかできたりします)

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