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対外資産と外貨準備高

 昨日、「他人様を(無条件で)支援する余裕はございません…」で“外貨準備高”について触れましたけれど、中には“あれ?日本が世界一ぢゃないの?”と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

 ちゃんと説明もせずにさらぁっと使っちゃいましたけれど、似たような概念で日本が世界一なのは対外資産(債権)であり、こいつは20年その座を守り続けておりますが、外貨準備高は中国に抜かれて今は世界第二位です。

 違いは何かと言うと、大雑把に言って、対外資産は“国”全体で持っている海外資産であり、外貨準備高は“政府”が持っている海外資産です。つまり、外貨準備高は対外資産に含まれていることになります。

 例えば、日本の場合、2010年度末時点では以下のようになります。

   対外資産      563兆円
    うち外貨準備高    89兆円  → ここは世界第2位

 -)対外負債      312兆円
――――――――――――――――――――――――――――――――――
   対外純資産     251兆円  → ここが20年世界第1位

 ※平成22年末 本邦対外資産負債残高の概要
  http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/iip/22_g.htm
 ※日本の対外純資産251兆円 昨年末、円高で2年ぶり減少
  http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110524/fnc11052409160002-n1.htm 

一方、中国はどうなっているかというと、

   対外資産      333兆円
    うち外貨準備高   227兆円 → ここが世界第1位

 -)対外負債      189兆円
――――――――――――――――――――――――――――――――――
   対外純資産     144兆円

 ※中国の対外資産4兆ドル超 日本は債権国首位を維持
  http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110530/fnc11053014120006-n1.htm

つまり、国全体として“お金持ち”はどちら、と言えば、まだまだ日本なんですけれど、政府がお金を持ちなのは?となると中国に軍配があがる、ということです。
 でも、この数字を見ると「やっぱり、中国ってば社会主義で、共産党一党独裁国家」ってのが良く分りますよね。何しろ、対外資産のうち、7割近くが政府のもの、ということですから。日本は16%弱。市場経済を導入したとは言え、所詮は経済活動の7割は国家によるもの、という言い方もできますから。

 さて、そのようなお金を使ってエネルギー資源確保に貪欲なのが中国ってわけで、この点をasayanさんは危惧されていらっしゃるわけで、以下のようなコメントをいただいております(いつもありがとうございます)。

 >中国の外貨準備高凄い!
 >これでアフリカとかミャンマーなど外国に土足で踏み込んでいるんですね。
 >民主党にはこの危機が分かってない。

このような中国のやり方は、批判の対象にもなっており、

○円借款で肥え太った中国が「ひもつき援助」でアフリカの資源と市場を支配する
 http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/sapio-20080714-01/1.htm

 “中国の対アフリカ向け援助は日本の対中ODA(政府開発援助)とは違
  い、露骨なまでに国益最重要視である。中国援助の最大の特徴は例外な
  くそれが「ひもつき援助」であるということだ。つまり、援助により行
  なう建設工事などを中国企業に発注することが義務付けられていたり、
  石油開発権の確保などとセットになっているのである。これでは援助と
  いうよりも単なる事業ローンではないのか、と疑いたくなる。” 

○中国のアフリカ進出に懸念 援助の透明性問題と米国務長官
 http://sankei.jp.msn.com/world/news/110611/mds11061113550007-n1.htm

 “中国は天然資源の獲得を狙ってアフリカに積極進出を続けているが、ジン
  バブエなど非民主的とされる国々への援助も強化、欧米から批判が出てい
  る。”

さらには、そういった援助を受ける国も民主化が進むにつれ、中国のやり方を受け付けないような動きもあります。

○中国式投資 途上国「NO」 ミャンマー、ダム開発中止を表明
 http://sankei.jp.msn.com/world/news/111004/chn11100407580006-n1.htm

 “軍政から民政に移管したミャンマーのテイン・セイン大統領が9月末、
  北部カチン州で中国と共同建設している水力発電用大型ダム「ミッソン
  ダム」の開発中止を表明した。多額の投資・援助で途上国を抱き込んで
  きた中国だが、ミャンマーやリビア、ザンビアなどの政権交代に伴い、
  民主化や人権改善に背を向ける“北京コンセンサス”の限界が見え始め
  ている。”

中国としては「中国企業には、その国の法律に厳格に従って、責任と義務を履行するよう求めており、関係諸国には中国企業の合法で正当な権益を保障するよう促している」と主張していますけれど、  

 “経済発展を維持するために世界中で資源エネルギーをむさぼる中国は、
  積極的にアフリカ大陸に進出してきた。そこに介在する賄賂が政権幹部
  を堕落させ、人権を無視して地元労働者を酷使する中国企業への反感も
  暴発寸前だ。”

“その国の法律”って言ってもね…。そりゃあ、中国や軍政国家で通用する法律・論理であって、民主国家では通用しませんからねぇ
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No title

対外資産が世界一なら、日本の格付けが下がっても、円高になるわけですね!それにしても中国も経済発展はいいんですけど、もう少し良識を持って行うべきではないでしょうか?自分さえ良ければ良いというのは動物の本能ですけど、人間は理性あるはず、それ以下なのかな?

大家のTakeさんさんへ

コメントありがとうございます(^O^)

> 対外資産が世界一なら、日本の格付けが下がっても、円高になるわけですね!それにしても中国も経済発展はいいんですけど、もう少し良識を持って行うべきではないでしょうか?自分さえ良ければ良いというのは動物の本能ですけど、人間は理性あるはず、それ以下なのかな?

国債の格付は、その大きな要素が財政収支と政府債務残高対GDP比によりますが、一口に国債と言っても、外貨建てなのか、自国通貨建てなのか、それとも共通通貨建てなのか、借りているのは誰なのか、と言った違いがあります。この違いを無視して格付けしても意味は無いと思っています。

円高になる要素は、対外資産世界一、ということは世界で最も支払いに困らない国、という直接的な理由もそうでしょう。ただ、ではなぜ20年も対外資産世界一かと言えば、それは偏に、国内に世界屈指の巨大市場を抱えながらもなおかつ輸出でお金を稼げる、つまりはそれだけ高い供給能力を維持し続けたからだと思います。
円を持っていれば、好きなモノを好きな時に好きなだけ手に入れられる可能性が高いですからね(^。^)y-.。o○。

中国はねぇ…歴史的に自分達が世界の中心だと思っている国ですからね…何しろ、世界の中心の華ゆえ、「中華」って言っちゃうくらいですから。

No title

tatsusaeさんの↑のコメントに笑ってしまいました。
中華ってそこから来たんですか?
恥ずかしながら知りませんでした。
でもそう言われるとあんな国だから言えたのかも(-_-;)

あの国とまともな話し合い出来ますかね?

りくなもさんへ

コメントありがとうございます(^O^)

> tatsusaeさんの↑のコメントに笑ってしまいました。
> 中華ってそこから来たんですか?
> 恥ずかしながら知りませんでした。
> でもそう言われるとあんな国だから言えたのかも(-_-;)

中華思想と言うのは、文明には序列があって、中国が世界の中心という考え方です。ちなみに韓国は中国に最も近く、朝貢を古くからしていたこともあって、自分達は“中国の次”で、“日本は自分達より下の野蛮な国”と思っていた(いる、いたい)んです。
この華は、花とはちょいとだけ違って、花はもうすでに咲いている状態でこれから散る、ってことで、華だとこれから咲きまっせ、という意味だとどこかで見た記憶があります。もし本当なら、ちょっとは謙虚…なわけないですね。(^。^)y-.。o○。

> あの国とまともな話し合い出来ますかね?

いや、無理でしょ。(-。-)y-゜゜゜ あの国は、カネと暴力(軍事力)でモノゴトを解決しようとする国ですから。

資源・食糧の確保

中国が他国へ進出し、資源や食糧の確保に勤しんでいる現在、中国に対する批判をされる方が大勢いらっしゃいます。自国民を飢えさせない為に、今後予想される資源・食糧危機に備えているのですよ。一方日本ではこのドル安(相対的な円高)を全く活用せず、逆に税金を投入しては米国債を買い増しているのです。将来紙切れになる可能性も高いのに。日本政府が日本の一般庶民の利益を第一に考えているとは到底思えません。沖縄の民意も米国政府より軽視されていますからーー。日本国民の一員としてマスゴミの垂れ流し情報に洗脳され無い様に、日本政府は国益(一般庶民の)を最重視し、資源・食糧の確保に邁進して欲しいと希望します。

Re: 資源・食糧の確保

コメントありがとうございます(^O^)

> 中国が他国へ進出し、資源や食糧の確保に勤しんでいる現在、中国に対する批判をされる方が大勢いらっしゃいます。自国民を飢えさせない為に、今後予想される資源・食糧危機に備えているのですよ。一方日本ではこのドル安(相対的な円高)を全く活用せず、逆に税金を投入しては米国債を買い増しているのです。将来紙切れになる可能性も高いのに。日本政府が日本の一般庶民の利益を第一に考えているとは到底思えません。沖縄の民意も米国政府より軽視されていますからーー。日本国民の一員としてマスゴミの垂れ流し情報に洗脳され無い様に、日本政府は国益(一般庶民の)を最重視し、資源・食糧の確保に邁進して欲しいと希望します。

中国が“資源・食糧を確保するために邁進している”という点はそうだと思います。まぁ、ただ、だからと言って武力に訴えるなど、中国共産党のやり方を是とする気にもなりません。自国民を餓えさせないためとされていますけれど、共産党は人民の基本的人権を無視していますし、目的のためにはルールは無視する、ばれなきゃ良い、という姿勢もどうかなぁと。
もっとも、この点については欧米も褒められたものではなく、ルールはかなり守りますけれど、自国に不利な場合は平気でルールを変えてしまうあたりが賛同はできません。

日本は、欧米中ロと言った影響力のある国は、常に“国益優先”という常識で外交に臨んでおり、別に日本の国益のために何かを敢えてしようとしてくれる国は無い、という実に当たり前の事実を前提に物事を判断・実行して行く必要があると思っています。

覇権国家移譲

ブログ主様、レス頂きましてありがとうございます。中国滞在複数年の日本人ですが、私なりの世界観を述べさせて頂きます。親米でも親中でもありません。客観的に起きた事実を把握し、今後の世界の変化を見通すことを趣味としています。ジム・ロジャースに関するブログから飛んで参りました。
 米国で又財政に関する良くないニュースが来ました。かつての覇権国家(世界を操縦できる能力がある)はもう風前の灯、今後は軍事費の削減も避けられない情勢です。この中で日本は何時までも米国に(特に国防で)頼っていて良いのか、非常に不安を感じます。尖閣で中国とのひと悶着があってから日本はやはり米国と手を結ばなければ、との論調が多数を占めていますが(東南アジアも)今この惨憺たる状況の米国が果たして信用するに値するのか?金も無い、軍事力も削減していく、という親分に好き好んで着いて行く子分がいるのか?外交の基本は金と軍事力を背景にした交渉力です。日本はこの基本さえ守れていない。無条件で米国からの要求をハイハイと持ってきて、国民に押し付けるだけ。不安になるのも無理は無いと思います。長くなってしまうので、また次回にします。もし私の言っていることが、この掲示板にとって有益でないとブログ主さんが判断された場合には、おっしゃってください。あまりにも事実認識を欠いた内容の書き込みを見ていると色々書きたくなってしまうものでーー。

Re: 覇権国家移譲

コメントありがとうございます(^O^)。

> ブログ主様、レス頂きましてありがとうございます。中国滞在複数年の日本人ですが、私なりの世界観を述べさせて頂きます。親米でも親中でもありません。客観的に起きた事実を把握し、今後の世界の変化を見通すことを趣味としています。ジム・ロジャースに関するブログから飛んで参りました。
>  米国で又財政に関する良くないニュースが来ました。かつての覇権国家(世界を操縦できる能力がある)はもう風前の灯、今後は軍事費の削減も避けられない情勢です。この中で日本は何時までも米国に(特に国防で)頼っていて良いのか、非常に不安を感じます。尖閣で中国とのひと悶着があってから日本はやはり米国と手を結ばなければ、との論調が多数を占めていますが(東南アジアも)今この惨憺たる状況の米国が果たして信用するに値するのか?金も無い、軍事力も削減していく、という親分に好き好んで着いて行く子分がいるのか?外交の基本は金と軍事力を背景にした交渉力です。日本はこの基本さえ守れていない。無条件で米国からの要求をハイハイと持ってきて、国民に押し付けるだけ。不安になるのも無理は無いと思います。長くなってしまうので、また次回にします。もし私の言っていることが、この掲示板にとって有益でないとブログ主さんが判断された場合には、おっしゃってください。あまりにも事実認識を欠いた内容の書き込みを見ていると色々書きたくなってしまうものでーー。

う~ん…。私も親中派でもなければ親米派でもありません。それに、asia chinaさんの前回および今回の書き込みを拝見している限りでは、当方もブログで同様の書き込みをしていますし、asia chinaさんが当方に敬意を表していただいているので迷いましたが、本ブログは政治・経済・金融をとことん追及しようとしてやっている代物でもなく、コメント欄も意見表明はともかく、意見を戦わせる場にしたいとは思っていませんので、そういった主旨で書き込まれるのであれば、大変に申し訳ありませんが、書き込みをお断りいたします。
 ただ、海外で過ごされた経験もあるとのこと、asia chinaさんの主張や私の知らない事実については興味があります。お嫌でなければasia chinaさんのブログアドレスをご連絡いただければ、当方からも訪問した上、参考にさせていただきたいと思います。鍵コメで書き込みをいただければ幸いです。
プロフィール

tatsusae

Author:tatsusae
会社に長時間いると飽きてしまうという、組織人としては致命的欠点を持つ、仮面サラリーマンです

保有資格
AFP、宅建、初級シスアド、簿記3級、証券外務員2種等々

特技
統計(日本計算機統計学会員なもので)
英会話(最近使ってないから怪しいけど…。一応米国のMBAホルダーだったりします)
初級の中国語会話(なぜかできたりします)

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