ギリシャ問題の解決方法

 久々にギリシャ問題を。不景気時の歳出削減や増税、自国通貨建てではない借金をしているとどうなるか等、日本の処方箋を考える上で参考になります。

 さて、欧州首脳のギリシャへのスタンスは「お前らが歳出削減や増税等、努力しないと支援してやらんぞ!」という厳しいものです。

○ギリシャ、公務員1万5000人削減 12年中に
 EUやIMFなどの要求受け入れ
 http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819499E2E5E2E2978DE2E5E2E0E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2

 “ギリシャからの報道によると、同国政府は6日、ギリシャを金融支援する
  欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)などの要求を受け入れて、20
  12年中に公務員1万5千人を削減すると発表した。

  今回の公務員削減は、EUとIMFによる総額約1300億ユーロ(約13兆円)
  に上る第2次支援の実施条件の一つ。EUなどは民間企業の最低賃金引き
  下げや、政府の歳出削減による新たな緊縮策なども要求しており、ギリシ
  ャの連立与党内の意見調整が続いている”

支援をされなければデフォルト(ってか、実質的には既にデフォルトしていますけれどね)となってしまいますので、ギリシャとしては、渋々「わかったよ! もっと歳出&公務員数&賃金の削減、増税(含む脱税の摘発)すりゃ良いんだろ!!」てな状態にあります。

 ただ、こんなこと(歳出の削減やら増税やら)をすりゃあ、どういうことになるかというと…

○ギリシャ債務膨張、GDP比159%に 11年9月末
 http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C9381959FE2E4E2E6978DE2E4E2E0E0E2E3E09494E0E2E2E2;bm=96958A9C93819499E2E5E2E2978DE2E5E2E0E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2

 “ギリシャの債務は増え続けている。11年9月末時点の債務のGDP比率は
  1年前(138.8%)と比べても20.3ポイント上昇
した。11年末時点で160%
  を突破するのはほぼ確実で、民間債権者代表との交渉が決着しなければ、
  中長期的に債務を持続可能な水準まで低下させるのはほぼ絶望的な状況だ。”

と、かえって状況を悪化させています。

 以前に何回か指摘していますけれど、ギリシャはユーロから離脱し、独自通貨に復帰しさえすれば、独自通貨の大暴落 → 輸出競争力の回復 → 経常収支黒字化 → 借金返済 という一連の流れに自然に身を任すことが可能です(それはそれで結構大変ですけれどね。もちろん)。ということで、ギリシャ側からも

○ギリシャ首相、「ユーロ圏離脱に伴う影響」について文書作成を指示
 http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LYZHCI1A74E901.html

 “パパデモス首相は前日、暫定政権を支える主要3党の党首に、同首相が財務
  省に対し「ギリシャがユーロ圏を離脱した場合に想定される影響を正確に、
  ありのまま示すように要請した」
ことを明らかにした。”

というようなジャブが繰り出されていますけれど、

○独仏首脳「譲歩の余地ない」 ギリシャに最終決断迫る
 http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C9381959FE2E4E2E7E48DE2E4E2E0E0E2E3E09C9CEAE2E2E2;bm=96958A9C93819499E2E5E2E2978DE2E5E2E0E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2

 “共同記者会見でメルケル首相は「ギリシャがユーロ圏に残ることを我々は望
  んでいる」と語り、単一通貨圏から同国が抜ける事態は考えないと改めて表
  明した。”

と、ドイツは「ユーロから離脱することはまかりならん!!」と。さらに過激な意見としては

○財政規律の新条約合意へ EU首脳会議が開幕
 http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:4TeqcAdR3LIJ:www.nikkei.com/news/latest/article/g%3D96958A9C9381959FE1E2E2E18A8DE1E2E2E3E0E2E3E09494E0E2E2E2+%E8%B2%A1%E6%94%BF%E8%A6%8F%E5%BE%8B%E5%BC%B7%E5%8C%96%E3%81%AE%E6%96%B0%E6%9D%A1%E7%B4%84%E5%90%88%E6%84%8F%E3%81%B8%EF%BC%A5%EF%BC%B5%E9%A6%96%E8%84%B3%E4%BC%9A%E8%AD%B0%E3%81%8C%E9%96%8B%E5%B9%95&cd=2&hl=ja&ct=clnk&gl=jp

 “危機感を強めるドイツのレスラー副首相は独紙ビルトのインタビューで「E
  Uによる強力な指導、監視が必要」とギリシャが財政主権をEUに譲り渡す
  べきだとの見解を表明。”

と、ギリシャの財政主権をEU、と言っても実質ドイツに譲り渡せと言っています。ドイツ、厳しいのぉ~。

 これ、このまま行くと、歳出削減&増税 → 個人消費減少・企業収益悪化(人員削減&賃金カット) → 税収悪化 → さらなる歳出削減&増税 → さらに個人消費減少・企業収益悪化(人員削減&賃金カット) → さらに税収悪化 → さらにさらに歳出削減&増税 → … というスパイラルが続いていくことになります。

で、この負のスパイラルがどこまで続くのかと言うと、国際競争力がある水準まで賃金が低下するまで。…実は、次の記事の一文は読みようによってはこのことが記載されています。

○欧州首脳、ギリシャへの圧力継続-国際支援の条件受け入れで (2)
 http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LYY1K50UQVI901.html

 “ユーロ圏財務相らはギリシャに対して、支援額1300億ユーロ(約13兆600億
  円)の増額は用意されていない旨を通告。その後、ギリシャのパパデモス
  首相は、国内主要政党党首との間で、国際競争力向上と一段の歳出削減策
  で暫定合意に達した。 ”

「国際競争力向上と一段の歳出削減」…。今のユーロ圏にとどまる以上、自国通貨安という国際競争力が望めないギリシャにおいて、歳出削減と増税といった路線を続けていく限り、実現可能性の確かな国際競争力は人件費の低下でしょう(全世界が欲しがるような何らかの大発見でも無い限り)

…ドイツ殿、そろそろギリシャを許してあげれば?^_^;
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プロフィール

Author:tatsusae
会社に長時間いると飽きてしまう、組織人としては致命的欠点を持つ、仮面サラリーマンです

保有資格
AFP、宅建、初級シスアド、簿記3級、証券外務員2種等々

特技
統計(日本計算機統計学会員なもので)
英会話(最近使ってないから怪しいけど…。一応米国のMBAホルダーだったりします)
初級の中国語会話(なぜかできたりします)

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